REPORT

共創で動かそう、組織とひと。2019
<“成果検証”セッション>後編

はたらく×Cue

今年の6月にキックオフしたプロジェクト「はたらく×Cue - 共創で動かそう、組織とひと。2019」が、プロトタイプの成果を発表・共有するセッションを迎えました。
「はたらく×Cue - 共創で動かそう、組織とひと。2019」は、多様な方たちにCueに集っていただき、それぞれが挑戦したい課題と各自の強みやリソースをもとに、組織や所属をこえてチームを結成し、プロトタイプという「何か」を実際に生み出してみる、そんな共創を実践し一緒に体感したい、という想いで企画されました。
これまでの<“リソース可視化”セッション>と<“アイデア” セッション>、その後にチームごとに実施されたプロトタイプを踏まえ、6つのプロジェクトの成果をチームごとに発表したこの日のセッション。互いの学びを共有し、意見交換をしながら、これからの展開についても考えを深めました。レポートの後編は、4チーム目の成果発表からスタートです。

【ステップ2】プロトタイプ実施を共有する ~ 続き

4、ビジネスパーソン×盆踊り=クリエイティブ!チーム

「綾渡踊り」を知っている方はほんの数名 まずは綾渡踊りがどんな意味を持つのかを学びました

インパクトあるタイトルのこのチームは、伝統的な盆踊り「綾渡踊り」に着目しました。綾渡踊りとは愛知県の名所・香嵐渓からさらに400mほど標高の高いところにある足助地区に代々続く踊り。お盆の時期に亡くなった方の家を回るとき、ごちそうのお返しとして歌と踊りを披露したのが起源です。
ビジネスパーソンと盆踊りというそもそも異質な組み合わせから、創造力が生まれることを期待し、ワークショップを実践しました。現代の日本では仕事とプライベートが分断され、ビジネスシーンにプライベートを持ち込むことが拒まれます。それをあえて掛け合わせることで生まれるものがあるのではないか、というのがこのチームの仮説です。都会でのビジネスを日常とする参加者が日常の振り返りと踊りの行為を一緒に体験してシェアすることで、一種のフロー体験のような不思議な時間を過ごしたと言います。ある環境において普段は排除しているものをあえて持ち込むことで、純粋にわくわく感を感じられたり、イマジネーションが刺激されるといった効果が得られることが実証されました。

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5、あなたのサボり方間違っていませんか?チーム

「働く」と「サボる」の関係は?

「あなたのサボり方間違っていませんか?」という問いを起点にスタートしたチーム。昨今、多くの企業や組織が取り組んでいる「働き方改革」の本質を問い、日本の現状と課題について整理しました。
海外の研究結果を参考にしながらプロトタイプとしてアンケート調査を実施し、たどり着いたのが、「感情はパフォーマンスに影響する」ということ。しかし、日本ではビジネスシーンにおいて感情を露わにすることがよしとされていません。「感情を表明することが働くうえでの自由を手に入れられる。しかし、現在の日本ではそれが非常に難しい環境である」ということが今回のプロトタイプからわかりました。

 

6、KBDeXチーム

プロモーション動画やシステムの実用化に向けた試作品を用いたプレゼンテーションで、聞き手の興味を引きます

最後は「対話の可視化」をテーマに取り組んできたKBDeXチームです。教育・学習という視点から対話の分析や評価を研究している大学研究室の教授と学生をはじめ、もっとも人数が多いチーム。別室に移動し、実際にプロトタイプを見せながらの発表に他チームも興味津々でした。
「会議や日常の対話の質をあげること」がこのチームの目標。
チームメンバーは、まず、会議や日常会話の中で使われる単語同士の関係性を分析するツールである「KBDeX」を使用し、実際に自分たちのチームディスカッションを分析しました。その中で、対話の質を改善するためには自分自身や会議全体の対話を「振り返る」ことが有効であることに気づいたメンバー。この「振り返り」を効率的にできるツールのプロトタイプを考えました。
このプロトタイプは、チームメンバーが実際に使ってみた「KBDeX」という分析ツールを活用したもの。「KBDeX」は、録音した対話を入力すると、対話の中の発言や単語の関係性、ネットワークを分析し、可視化することができます。この分析結果を活用しながら、対話のキーワードを会議などの対話の最中に可視化・提案し、「振り返り」のきっかけを促すツールが今回のプロトタイプでした。将来的には人工知能の導入を想定しています。
このツールによって、例えば会議で口数の少ない人に発言を促したり、ヒートアップした人を抑えたりするなどもできるようにしていきたいというアイデアも。ファシリテーションを生業とする人からも好評を得ており、実用化の検討をしています。

 

【ステップ3】学びを共有する

ワールドカフェ形式で、他チームとの意見交換の時間 活発な議論が飛び交います

ここからプロトタイプをさらにブラッシュアップすべく、意見交換の時間に移ります。それぞれのチームのテーブルに1名だけ残って、それ以外のメンバーは気になる他チームの元へ。客観的な指摘や感想を共有し、今後の展開につなげました。

 

 

【ステップ4】次の展開プランを検討する

最後はそれぞれのチームに戻り、他のメンバーからもらった意見や感想を共有。まだ実践の準備段階である防災運動会チームは新たな情報を取り入れることでかたちになる兆しが見えてきたり、KBDeXチームは見えていなかった課題を共有し、プロトタイプにさらなる磨きをかけるなど、他チームのメンバーからの意見やアイデアに刺激やヒントをもらい、プロトタイプをより充実したものへと進化させていきました。

チームごとに今後の展開をホワイトボードにまとめ、全体で発表

「はたらく×Cue – 共創で動かそう、組織とひと。2019」のセッションとしては今回が最後となりましたが、どのチームもこれが終わりではなく、ここからまた新たな広がりがありそうです。Cueという共創空間から生まれた6つのプロジェクトがこれからどう育っていくのか、楽しみでなりません。

5ヶ月にわたるプロジェクトで結束が深まったメンバー 目的である「つながりの加速」をしっかりと達成しました!

■Writer:杉田映理子(さかだちブックス)

はたらく×Cue

はたらく×Cueは、共創を担う多様なプレイヤーがCueに集まり、 お互いの経験や強みを活かし合いながら、チームを組んで組織の壁をこえて、「人々の『はたらく』をワクワクさせる」新しい価値を生み出すプロジェクトです。

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