株式会社スノーピークビジネスソリューションズ 代表取締役 村瀬亮氏とNPO法人ハマのトウダイ 共同代表 岡部祥司氏からそれぞれの活動についてご紹介いただいた後、「人を大切にした働き方のデザイン」をテーマに、登壇者と受講者が一体となって対話しました。モデレーターは、株式会社岡村製作所 マーケティング本部 ソリューション戦略部 未来企画室 室長/WORK MILL編集長・エバンジェリスト 遅野井宏です。
遅野井: お二人のお話で共通して根底にあるものは、自然環境や地域など、普段の職場で失っている現実世界とのつながりを取り戻していることのように感じました。
村瀬: 最初からコンセプトがあるわけではありませんでした。行動を起こすにはどうしたらよいのかということと現場改善を考えることで一所懸命でした。そのうち、企業のあり方そのものが、新しい時代にとって意味のあるものになっていったら、将来の子供や家族にとってもよいことだろうと思いはじめました。現場改善の先にどういくか。トヨタやデンソーからは、現場のみんなで改善を考え、変えて行くプロセスが大事だと学びました。そうであれば、システムだけではなくプロセスも提供する会社になろうと思い、システムを入れるだけではなく、ワークスタイルをどう変えていくのかという観点でサービスを提供できるようになっていきました。
遅野井: 私たちは、ユーザー目線の発想が乏しいままで仕事をしてしまうことがあります。横浜市役所の写真では、人々の表情が活き活きしていました。
岡部: 企業は論理的です。でも、友達と話すときにも論理的なのか? 友達と話すときは「楽しいかどうか」といったことに価値観を置いているはずです。なぜそれが仕事ではできないのか? 少しずつ壁を取っ払い、「見せる化」していくことが大事だと思っています。世の中は群になっていて、同じ属性同士で話すだけになりがちです。キョロキョロしている人が少ないように思います。横を見たらおもしろいことをやっている人は多い。それにどう気づくのか。そのひとつが、“Cue”のような共創空間であり、こういうものが日常的になると自然に変わっていくのではないかと感じています。
遅野井: 大企業では、どうしても組織図で仕事をしがちです。人間の関係性が新たに問われてきています。SNSでは個人同士の会話が普通になっていますが、企業に入ると組織の会話になることが普通になってしまい、横をキョロキョロ見ることがしにくくなることがよく起きますよね。
岡部: 二元論や善悪になりがちだと思います。トップダウンもすごく大事だし、あくまでボトムアップとのバランスの問題。どちらも「かっこいい」という状態にすることが大事だと思います。
遅野井: 手続き主義だけが残ってしまうことも多いですよね。経営的にはどうですか?
村瀬: 自分がやってきたことを合理的に示すことはとても難しいです。私も150万円のアウトドアグッズ購入理由の説明は難しいです(笑)。数値で見えるものは、今後どんどんAIがやっていけるとしたら、人間がやることはもっと創造的なことや関係性づくりではないでしょうか。たとえば現代では自然環境との距離をあまりにも広げてしまっています。普段パソコンを使っているから漢字を忘れてしまい書けなくなってきているように、人間としての機能が低下していることに気づいていないことも多いのではないでしょうか。だからこそ、デジタルと真逆なことや、デジタルとアナログが融合することがとても大事だと思っています。たとえば、等身大の大きさにスクリーン越しで見えることも大事だったりします。Skypeでもいいと思いがちですが、同じ大きさで「ちょっと、」と声をかけられる状態が大事だったりします。こういったデジタルとアナログの融合はますます求められてくるのではないでしょうか。現状の満足は衰退に向かいます。だからこそ、心地よいスピードで変化し続けることが大事ではないかと思います。
遅野井: 商店街でスリッパ卓球のようなイベントをやると、まちの人たちの心が開かれていきますか?
岡部: 地域に楽しい感覚が広がります。
遅野井: 人間的な、リアルな体験は薄くなっているのでしょうか?
岡部: 自治会は自治会どうしで集まっていて、問題があっても、解決する人や解決できる人が外にいることを知らないことも多いです。役所は自治会でやるといえば、たいてい何も否定しない。いろいろな人が集まって行動さえ起こせばできることはたくさんあります。
村瀬: 岡部さんのすごさは「つなぐ技術」です。ラケットでもいいところを、あえてスリッパとか(笑)。
岡部: 掛け算がよいんです。スノーピークビジネスソリューションズは、アウトドアとITの掛け算だからよい。既存のいろいろなものを知り、それをつなげることが大事だと思います。
遅野井: 私たちは、既存のアイデアを意外と知らないですよね。どう突破するとよいですか?
岡部: 組織ではなく、個人として選ぶ選択肢がめちゃくちゃ増えたことが一番の問題だと思います。そのため、よいか悪いかが個人に委ねられるようになっています。日本人はこれまで「いつかはクラウン」みたいにロールモデルがありました。しかし現状は、「あれもこれもそれもアリ」という状態をどう乗り越えるかが、個人にすごく問われています。
遅野井: 私はWORK MILLのウェブマガジンでいろいろ取材していますが、よく出てくるのが「主体性」という言葉です。いろいろな人が、いろいろな角度から「主体性」のことを言っています。組織は個人を信頼し、たくさんの選択肢を与える。個人は主体性を持って選択肢を選ぶ。この関係性が大事ということになってきています。
岡部: 主体性というと真面目っぽいので、自分は「自分ごと化」と言っています。商店街のおじいちゃん自身も、いろいろな活動をしながら「自分ごと化」していく。商店街のおじいちゃんは「自分はスリッパ卓球をやらないよ」といいながら、いざやってみるとめちゃくちゃ卓球がうまかったり、勝手に審判をやってしまったりしています。
遅野井: 人間の本来の力を取り戻し、「自分ごと化」する人をどう増やしていいけるのかが大事ということでしょうか。最後に一言ずつお願いします。
岡部: こういう場があることがすごく大事です。やりたい人はたくさんいるので、”Cue”で岡村製作所とつながるといろいろできる企業が増えると思います。
村瀬: 大企業がこういう共創の取り組みをはじめたというワクワク感、「変わるな」と感じました。採用を隔年でやっていますが、中小企業では人を集めるのが大変です。採用をするとき、「中小企業は大企業よりいいよ」と言って口説いています。でも、こういう活動をしている岡村製作所はいいよ、と言いたくなるし、「いいよ」と言いたくなる大企業が増えるといいと思っています。大企業が動かないと日本は動かない。共創の取り組みはすごく意義があるし、今日呼んでいただけたことがすごく嬉しいです。
遅野井:ありがとうございました。
REPORT
今回は、金城学院大学の2年生16人が授業「ソーシャルウーマンプロジェクト B」の一環でCueにやってきました!
「ソーシャルウーマンプロジェクト B」では、「共創」をテーマに、身近な困りごとや社会課題に対する解決方法の生み出し方について、グループワーク、プレゼンテーション、フィールドワークをまじえながら学び、現代社会におけるさまざまな課題を自分ごととしてとらえ、発想力豊かにその解決方法を仲間と一緒に考えていくプロジェクト学習です。そのうちの3回にわたりCueと実施します。今回はフィールドワークの初回です。
当日の様子をインターンシップ生の髙橋あひろがレポートします。
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REPORT
現在金城学院大学さんのソーシャルウーマンプロジェクトBという講義にCueが一部かかわっています。金城学院大学 人間科学部コミュニティ福祉学科の講義である、ソーシャルウーマンプロジェクトB。受講者の皆さんに共創という概念を理解・実感していただくための第一歩として今回、 MENNOLU LABO ・Cueの見学、また感じたことの共有を実施しました。
インターンシップ生の秀徳颯斗がレポートします。
※ソーシャルウーマンプロジェクトBとは
「共創」をテーマに、身近な困りごとや社会課題に対する解決方法の生み出し方について、グループワーク、プレゼンテーション、フィールドワークを交えながら学びます。現代社会におけるさまざまな課題を自分ごととしてとらえ、発想力豊かにその解決方法を仲間と一緒に考えていくプロジェクト型学習です。
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REPORT
名古屋市立大学佐藤研究室の学生方と株式会社カムロの方が、改装されて新しくなったCue・MENNOLU LABOにやってきました!
はじめまして!私は、名古屋市立大学芸術工学研究科修士1年の高橋あひろです。
学部時代も名古屋市立大学に所属していて建築都市デザインを学んでいました。卒業論文では、Cueで実際に行ったワークショップを研究対象とし、ワークショップにおいて参加者の身体的自由度や用いる什器が議論の盛り上がりにどのように影響しているか、について執筆しました。大学院でも同じテーマを引き続き研究しています。
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「これからのはたらく」を知りたい方、考えたい方、つくりたい方、相談したい方、見学したい方、仲間が欲しい方・・・
もし少しでも「ピン」ときたら、お気軽にCueにおたずねください。