セッションは、参加者どうしで「いまののユニークな点」について、カジュアルな雰囲気で語り合うところからスタート。
当日、共有をしたNAGOYAのユニークなところを一部ご紹介すると、
・観光地がない
・大須商店街などのサブカルチャー
・赤味噌などの食文化
・独自の文化を持っている(静岡出身の方からのご意見)
などさまざまな視点からのNAGOYAの特徴が挙がりました。
参加者どうしの対話で会場内が活気に満ち始めたところで10年後のNAGOYAのユニークな「はたらく」を考えるためにNAGOYAエリアの名古屋と豊田の「未来の兆し」を共有しました。
■街中の変化の兆し
・久屋大通のあり方(案)
芝生広場が作られ、緑が街中に増える。久屋大通公園と百貨店との間の車線数が減り、公園と歩道が広くとられる計画になっている。働く場所と公園が連続してくるのではないか。
・名古屋駅周辺の街づくり
現在、水辺と街の緑を活用した魅力向上を目指した計画が進められており、街中に緑を増やしていくことを意識して街づくりをしていく流れがある。
このように、都市の中に緑や自然が増えていき、働く場所との連続性が生まれることによって、働く場所がオフィスに限られなくなっていくとおもしろいのではないか。
■少子化の流れ
アンケート調査の結果によると、名古屋在住の夫婦で理想とするこどもの人数は、約60%の方が「2人 」と答えているが、実際に2人のこどもを持てている夫婦は28%にとどまっている。挙げられているその理由は、経済面的な理由が一番であるが、子育てに関わる精神的身体的負担が大きい、という結果も得られている。子育てに対する保育園やトワイライトスクールの充実などの行政の側面的支援の充実も重要であるが、同時に職場の文化や意識の面、例えば、同僚からどのようにして子育てに対する理解を得るか、などの共感の部分の支援も重要であり、難しさがある部分と言える。子育てそのものや仕事と子育ての両立を楽しみながら働く環境を職場としてどのようにとらえていくかが課題となる。
■若い世代の首都圏への流出
名古屋では、20~24歳の女性の関東圏への流出が顕著であり、女性を惹きつける働き方を考えていく必要がある。
■シビックプライドの醸成
名古屋は「魅力のない街」とメディアでも取り上げられているが、市民が都市に対する愛着をどれだけ持てているか、ということを考えていかなければならない。愛着そのものがないというわけはないが、その愛着を表に出せていないとも考えられ、どのように個人の都市に対する愛着をまとめあげていくかが課題となる。
■豊田のイメージと実際
豊田といえば「車」であり、「車の街」というイメージが強い。豊田市は名古屋市から車でも公共交通機関でも約1時間のところにあり、人口は約40万人。面積は愛知県で最大で約900平方キロメートルにおよぶ。これは、2005年の市町村合併により、よくイメージされる街のエリア以外にも中山間地もエリアとして含むようになったことによる。田舎のエリアは自然に溢れており、香嵐渓のような全国的に有名な景勝地もある。
■2040年の豊田
現状データからの推計によると、2040年には豊田の山村地域では、
・人口が半減
・小中学が1/3に
・農家の8割は高齢者
・50の集落が消滅
という試算が出ている。
このような試算がある一方、豊田市では田舎と街をつないで、過疎という課題を解決するプラットフォーム「おいでん・さんそんセンター」が運営され、成果をあげている。
■田舎と街をつなぐ
豊田では、田舎暮らしを希望する人に対する移住支援にとどまらず、田舎の現地に入って高齢者の方のお話を聞いたり、森に入ったりすることを通して、経済至上主義の現状に疑問を投げかけ、生き方を模索するような人材育成の場が設けられている。
CSRや社内研修として田舎での活動を実践し、自社の課題解決に活用している企業も増えており、産学協同での未来のモビリティの研究が行われるなどもしている。また、お金で買える価値だけでなく、田舎だからこそできるプレミアムな体験、自分でなにかやるということにうえている現代人に体験や価値を提供する事例も増えている。
■豊田でおもしろい「はたらく」を実践している人たち
豊田の田舎では、個性的な働き方を実践している人もすでにいる。
例えば、7-8年前に田舎に移住をし、半農業と地域に根ざしたやりがいを感じられる小さななりわいをいくつも持つことによって生計をたてている方がいる。この方は事業の経営者でもあり、事業での収益の多くを地域への還元し、それを生き方として生活している。
また、トヨタ自動車に勤めるエンジニアの方で、平日は企業で働き、週末は山でチェーンソーを持ってきこりとして活動をしている方もいる。
■はたらくと暮らす
「はたらく」を考えるとき、仕事のみを考えがちであるが、特に田舎ではそれだけでなく、どのように暮らすかが大切になる。誰とどこでどんな風に暮らす、ということを10年後を見据えながら考えていけるとおもしろい。
名古屋と豊田の未来の兆しを受けて、「未来のNAGOYAの「はたらく」に影響のある変化の兆し」を全員で考えました。
当日、挙げられた「兆し」をご紹介します。
▪自由奔放
名古屋にしかないモノが増えて県外や海外から人を呼ぶ/NAGOYAが日本の中心へ向かう/中央化している(東京化)/人が地方へ向かう/リニアで東京が通勤圏になる
▪新しい街に変身!
都市のアイデンティティがより重要になる/名駅集中/名駅と栄に集中する/新しいスタイルの大きな街/車の運転が自動化される
▪パッと見、控えめだけど楽しい!
裏名古屋(を盛り上げる仕組み)/古い町がリノベーションされる/名古屋より東京に近いイナブ/リニアで生活の場が変わる/NAGOYAはもっと魅力のある街になる(ポテンシャルがある)
▪仕事も趣味も充実!
趣味する時間が増える/自分のこだわりを活かして生きることができる/ビジネス創出・コミュニティ創出/ITの進化で労働時間減(パラレルキャリア)/IT・AIの進化で組織への帰属意識の変化
▪どこでもオフィス!
ITの進化でオフィスがなくなる(どこでもオフィス計画)/介護がヤバイ!
▪子育てしやすい環境!
子育てに協力的な企業が増える/子どもが増える
▪女性が活躍!
女性の働きやすい街になる/女性が働きやすい、そして男性も働きやすい/女性が働く時代
セッションの最後は、NAGOYAのユニークな「はたらく」を体現する未来人をグループにわかれて描きました。どのような人が10年後のNAGOYAでユニークに働いているか、グループごとに活発なディスカッションと共同作業が行われ、最後には個性的な9人が現れました。
2時間半にわたるセッションは、対話と活気に溢れ、まだまだ気づきやアイデアは尽きない雰囲気の中で終了となりました。
次回のはたらく×CueでのセッションでもCueにお集まりいただく方全員で、今回とは異なる新たな視点から10年後のNAGOYAのユニークな「はたらく」を描いていきたいと思います。
REPORT
今回は、金城学院大学の2年生16人が授業「ソーシャルウーマンプロジェクト B」の一環でCueにやってきました!
「ソーシャルウーマンプロジェクト B」では、「共創」をテーマに、身近な困りごとや社会課題に対する解決方法の生み出し方について、グループワーク、プレゼンテーション、フィールドワークをまじえながら学び、現代社会におけるさまざまな課題を自分ごととしてとらえ、発想力豊かにその解決方法を仲間と一緒に考えていくプロジェクト学習です。そのうちの3回にわたりCueと実施します。今回はフィールドワークの初回です。
当日の様子をインターンシップ生の髙橋あひろがレポートします。
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REPORT
現在金城学院大学さんのソーシャルウーマンプロジェクトBという講義にCueが一部かかわっています。金城学院大学 人間科学部コミュニティ福祉学科の講義である、ソーシャルウーマンプロジェクトB。受講者の皆さんに共創という概念を理解・実感していただくための第一歩として今回、 MENNOLU LABO ・Cueの見学、また感じたことの共有を実施しました。
インターンシップ生の秀徳颯斗がレポートします。
※ソーシャルウーマンプロジェクトBとは
「共創」をテーマに、身近な困りごとや社会課題に対する解決方法の生み出し方について、グループワーク、プレゼンテーション、フィールドワークを交えながら学びます。現代社会におけるさまざまな課題を自分ごととしてとらえ、発想力豊かにその解決方法を仲間と一緒に考えていくプロジェクト型学習です。
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REPORT
名古屋市立大学佐藤研究室の学生方と株式会社カムロの方が、改装されて新しくなったCue・MENNOLU LABOにやってきました!
はじめまして!私は、名古屋市立大学芸術工学研究科修士1年の高橋あひろです。
学部時代も名古屋市立大学に所属していて建築都市デザインを学んでいました。卒業論文では、Cueで実際に行ったワークショップを研究対象とし、ワークショップにおいて参加者の身体的自由度や用いる什器が議論の盛り上がりにどのように影響しているか、について執筆しました。大学院でも同じテーマを引き続き研究しています。
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「これからのはたらく」を知りたい方、考えたい方、つくりたい方、相談したい方、見学したい方、仲間が欲しい方・・・
もし少しでも「ピン」ときたら、お気軽にCueにおたずねください。