オカムラの取り組みについては、サステナビリティ推進部 D&I推進室・室長の望月からご紹介させていただきました。
オカムラのD&I推進のスタートは、女性活躍。女性活躍の取り組みはまだまだ続いていますが、そこからさらに、男性育休や子育て支援の取り組みを進めています。
障がい者雇用・定着支援については、2021年に社員向けの啓発冊子を全社に配布したり、社内イベントを実施するなど、理解を深める活動と制度整備や情報発信を進めています。
最近は、先進的な企業では、D&Iから、一歩進んで、DE I(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)の推進へと活動が変化してきています。
エクイティは、日本語で公平、という意味。すべてを平等に、ということが、すべての場面で必ずしもいいというわけではなく、必要な人に必要な対応をすることが大切、という考え方です。オカムラも、このDEIの考えに基づいた取り組みに進化をさせていきます。
望月からのご紹介の後は、同じくD&I推進室の七野より、「車イスユーザーから見たオフィス」をテーマにお話させていただきました。
七野は、入社2年目。男性育休取得や子育て支援、障がい者定着を担当しています。オカムラには、アスリート雇用で入社しており、業務のかたわら、パラ卓球の日本代表として活動しています。
最近では、2022年11月に開催された、全日本パラ卓球選手権大会・シングルスで優勝の結果を残しています。
七野からは、車イスユーザーから見たオフィス、ということで、まずは一般的に車イスユーザーができないこと、苦手なことをご紹介しました。高いところのものが取れない、重いものが持てない、階段があると登れない、などです。七野は、これらのことは、特別に何かできないというより、誰にでも起こりうる不便さ、身近なことではないか、と話します。例えば、身長が低いと高いところにあるものはとれない、ケガをすると階段が登りづらくなる、といったことです。
さらに、車イスユーザーから見た、オフィスの気になる点をいくつか解説。
例えば、通路幅については、七野が使用している車イスは60㎝の幅があります。車イスをこぐときには、腕が広がるので、75㎝の通路はせまく、人とすれ違うときには1m以上の通路幅が必要になります。
床の素材も注意が必要です。オフィスではカーペットが敷かれていることが多いですが、車イスのタイヤが沈み込むような素材は車イスをこぐために力が必要になる、と話します。自転車で舗装された道路と草むらを走るときの違いのような感覚、と説明しました。
他にも、収納や曲がり角について、苦手な部分や困りごとを共有しました。
それでは、どうしたらいいのか?オフィスで工夫できる点はどんなことか?と話は続きます。
コストをかければ、スロープをつくったり、エレベータを設置するなどができます。一方で、コストをかけずにできることとしては、イスを使ったら元の位置に戻す、通路にものを置かない、といった誰にでもできることがあり、少しの意識の変化で改善できることがある、と語ります。
最後に、車イスユーザーとして、「できる・できない」について、
「工夫やサポートによって障がいを持つ人のできることは増えていきます。このできることを増やしていくことが、環境を考えることが人的サポートの合理的配慮ということだと思っています。配慮というと、特別なことをする、と感じる方もいらっしゃるかもしれないですが、同じようにできるように調整をする、と考え方のハードルを下げるだけで、できることが広がっていくのではないか、と考えています。」
と話しました。
「できる・できない」は、乗っている車イスによっても変わるそうです。
「『できる・できない』は、人それぞれ異なるということを知ってもらいたい。」と話をしめくくりました。