安井さんが、アール・ブリュット作品を顧客にご提案し始めたのは、2021年頃から。SDGsやサステナビリティへの取り組みの重要性が、さまざまな場所で語られてはいましたが、実際にご提案をしても、自社でやる理由が説明できない、といった理由から採用されなかったそうです。
そこで、顧客へ提案するのではなく、竹田印刷自身が取り組みを進めていこう、と名古屋市の図書館とコラボレーションを企画し、アール・ブリュットを採用したブックカバーとしおりの寄贈や市立図書館でのアール・ブリュットの展示を実施しました。この取り組みがメディアに取り上げられ、アール・ブリュットに興味をもち、採用される顧客が増えていったそうです。
さまざまなかたちで、アール・ブリュット作品を取り入れたデザインを提案している安井さん。作品の個性を活かし、どのようなかたちで見せていくのか、作家さんやそのご家族とコミュニケーションをとりながら、丁寧にかたちに落としこんでらっしゃる様子がお話から伝わってきました。
トークのしめくくりには、
「アール・ブリュット作家さんと一緒に仕事をすることは、作家さんに障がいのあるなしは関係なく、尊敬する作家さんと一緒に仕事をすること。素晴らしい作家さんとその作品が世の中に広がってほしい。」とお話いただきました。